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ビッグバンド・ジャズ・フェスティバル(2012/5/24-27)Big Band Jazz Festival@LAX [Report]

2012年 ビッグバンド・ジャズ・フェスティバル@ロス空港
Big Band Jazz Festival 2012@LAX
テーマ:「スイングからバップへ」:”SWING TO BOP”
日時:5月24日~27日:May 24-27, 2012
場所:LAマリオットホテル:LA Marriott Hotel

5月26日(土):
午後4:45-5:45:ジーン・クルーパ・オーケストラの「G-POP」
"G-Bop" by Gene Krupa Orchestra Directed by Michael Berkowitz (ds)
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午後7:45-8:45:ラニー・モーガンの「パーカーとストリングス」
Lanny Morgan Plays "Bird with Strings", Paying Tribute to Charlie Parker
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報告
今年のビッグバンド・ジャズフェスティバルは「ビバップ特集」で、バップが誕生した40年~50年代初期の巨匠たちの演奏を振り返るという興味深いものでした。
1)初日(5/24)の冒頭で、「スイングからバップへ」という古い(8ミリ?)の映画を寄せ集めて見せるセッションに行ってみましたが、当然のこととはいえ画面や音声の質に問題があり、少々フラストがたまる映画会でした。
それでも、やはりパーカーやガレスピーの圧倒的な凄さ、いまだに新鮮に感じられる音楽性などが直接伝わってきて、セッション代10ドルは安いものでした。
2)3日目(5/26)の午後4:45からは、なつかしいジーン・クルーパ・オーケストラが、マイケル・バーコウイッツ(ds)をリーダーにして蘇りました。
その演奏は、昔日本で聞いたときよりはるかにバップ調で、コンボ演奏も2曲ばかり入れて、おおいに楽しめるものでした。セッション代25ドルの「もとはとれた」と思います。
なおバーコウイッツの話では、ジーン・クルーパ楽団の演奏した楽譜はすべて、彼の家が火事にあった際に焼けて亡くなってしまったので、その後色々な方法で復元したとのことです。
3)さらに同じ3日目の午後7:45-8:45(実際には20分遅れで始まる)には、本フェスティバルの目玉ともいえる「Lanny Morgan Plays Bird with Strings」のセッションがありました。
これはパーカーの50年代初めの一連のストリングスを交えたカルテット演奏の楽譜を生かして(以下のリンク参照)、アルトの達人ラニー・モーガンが名演を聴かせるものでした。
結果は、素晴らしい演奏ではあったのですが、多少リハーサル不足とマイクの一部不調、さらにラニー・モーガンも歳のせいか、曲と曲の間が無駄に空いたり、譜面を探すのに時間がかかったり、あまり意味のない「駄弁り」が多く、せっかくパーカーに捧げるべきセッションの印象がいまいちになったのは残念でした。
4)歳のせいといえば、このフェスティバルの参加者は年々高齢化が進んでおり、特に今年は参加者数が急速に落ちたという印象で、土曜の午後から夕方という一番混みそうな上記のセッションでも、例年以上の空席が目立ちました。
もっとも今年は、テーマは興味深かったものの(逆にテーマが40年~50年代初期だったこともあり)、動員力のある大物ゲストがいなかったことも一つの原因だったかもしれません。
また来年に期待したいと思います。(宮尾)
参考
"Parker Plus Strings":
http://www.artistdirect.com/nad/store/artist/album/0,,143660,00.html
LA Jazz Institute: Big Band Jazz Festival 2012:
http://lajazzinstitute.org/images/LA_JAZZ_MAY_2012_PROGAM.pdf

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