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「JUNBA 2016 in JAPAN: 10年を振り返る」(報告と感想) [Report]

JUNBA 2016 in JAPAN: 10年を振り返る;"Looking back on 10 years"

日時:2016年9月30日(金)10:00~17:30; Date/Time: Sept. 30(F) 10:00-17:30
場所:学士会館(東京都千代田区神田錦町); Venue: Gakushi-kaikan in Tokyo
共催:JUNBA(サンフランシスコ・ベイエリア大学間連携ネットワーク)、独立行政法人・日本学術振興会; Co-sponsors: JUNBA, JSPS
プログラム:Program
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ほぼ満員の学士会館2階の会場:総合司会役の田宮徹JUNBA事務局長・JSPS・SFセンター長
10:00-10:20 開会、挨拶
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松尾正人JUNBA会長(九州大学CAオフィス代表)の挨拶:安西祐一郎JSPS理事長の挨拶
10:20-11:20 基調講演「大学の国際化とグローバル人材育成」
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藤本博司文科省大臣官房審議官の基調講演:松尾正人JUNBA会長の質問と要望
11:20-13:00 休憩
13:00-14:30 パネルセッション1 「米国における学生研修の実情と課題」
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(左から)進行・米田達郎JUNBAエグゼクティブアドバイザー(CSU教授・FIT理事長補佐)、7大学を代表するパネリスト:大阪大学・樺澤哲センター長、桜美林学園・堂本マリアディレクター、九州大学・松尾正人代表、名古屋大学・神山知久所長、福岡工業大学・千綿文所長、龍谷大学・山崎淳子代表、早稲田大学・服部令所長
議論のポイント:英語研究にとどまらず、それぞれの大学の特色や専門を生かし、また米国での社会・文化を学ぶような工夫を凝らしており、成果の評価と単位の付与を行っている。研修コストが高く、学生の負担が重いことが課題。
15:00-16:30 パネルセッション2 「米国内大学拠点の設置の実情と課題」
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進行:神山知久JUNBA理事(名古屋大学テクノロジーパートナーシップ所長):質疑応答の様子
議論のポイント:シリコンバレーに拠点を持つことは大学の国内外でのプレゼンスを高めているが、その一方設置と運営のコストは高く、また少人数で仕事が多くスタッフの確保も難しいことが課題。
17:00-17:20 全体総括と閉会挨拶
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米田達郎JUNBAエグゼクティブアドバイザーの総括と樺澤哲JUNBA副会長の閉会挨拶
なお今後は、JUNBA会長が松尾正人代表から樺澤哲センター長に交代。
17:30-19:30 懇親会
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感想(宮尾尊弘):
日本でシリコンバレーがこれまでになく注目されているこの時期に、JUNBAがこのようなシンポジウムを日本で実施したことの意義は大きい。またパネルセッションのテーマも内容も、ポイントを突いた有用なものであった。
ただ、もう少し参加者たちとの質疑応答などの交流がほしかった。休憩を多くとってネットワーキングを促進するというシリコンバレースタイルを取ったようであるが、日本ではどうしても知っている者同士が集まるだけであまり交流がないので、時間の無駄が多かったように感じられた。さらに午前中の基調講演も、文科省の一般的な話だけではなく、JUNBA側からシリコンバレーの説明や米国での拠点設置のメリットなどの大枠の説明が欲しかった。
しかし全体として、参加したメリットは大きく、関係者の努力に敬意を表するとともに、今後も日本での開催を続けてほしいと願うものである。
参考;References:
プログラム・スケジュール:https://www.junba.org/docs/junba2016/program.pdf
パネルセッションの概要:https://www.junba.org/docs/junba2016/sessions.pdf
「ようこそJUNBAへ」:https://www.junba.org/index_j.html
「JUNBA 2016 in JAPAN :10年を振り返る」の開催について
https://www.junba.org/junba2016_j.html
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中国残留孤児問題フォーラム:報告 [Report]

中国残留孤児問題フォーラム

日時:2016年10月2日 10:00~16:00
場所:江戸東京博物館1階大ホール
主催:中国残留孤児問題フォーラム実行委員会

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午前の部
映画上映「望郷の鐘:満蒙開拓団の落日」(監督:山田火砂子、主演:内藤剛志)
午後の部
司会:藤原知秋(帰国二世、フリー翻訳通訳)
帰国者による公演:舞踊劇、独唱、中国民族楽器合奏
シンポジウム「敵国のこどもを育てた中国人養父母」
開会挨拶:池田澄江(元孤児・NPO中国帰国者・日中友好の会理事長)
来賓挨拶:薛剣(中国大使館公使参事官)
基調報告:中島幼八(元孤児・「この生あるは」著者)

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基調講演を行った中島幼八氏の挨拶、パネル(左から):大久保明男(司会・帰国者二世、首都大学東京教授)、安原幸彦(中国「残留孤児」国家賠償訴訟弁護団幹事長)、羽田澄子(映画監督)、寺沢秀文(満蒙開拓平和記念館専務理事)、白西紳一郎(NPO日中協会理事長)

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パネリストとして熱弁を振るう寺沢秀文氏、観客席で最後まで熱心に聞き入るHS研究会メンバー

報告
今回のフォーラムは、中心的な呼びかけ人である元孤児の中島幼八氏が基調講演で強調していたように、「中国残留孤児問題」を孤児たち自身が主体的にとらえて、自分たちが中心となって計画し実施した最初の試みとして大変重要な意味を持ったイベントであった。
そのために、先ずはテーマとして「敵国のこどもを育てた中国人養父母」を取り上げ、元孤児たちが自分たちを逆境の中で育ててくれた養父母に敬意と感謝を表することとしたのは、とてもよく理解できるものである。
ただし、パネル討論で司会者とパネリストから指摘されたように、養父母の問題一つとっても具体的な経験や立場によって多様で複雑な面を持っており、また中国残留孤児の問題は、孤児と養父母の問題にとどまらない幅広い社会・文化・政治の問題を、日中の双方に投げかけていることを理解することが大切であるとのことであった。
実際に、満蒙開拓団員を最も多く送り出した長野県下伊那郡の阿智村にある「満蒙開拓平和記念館」(パネリストの寺沢秀文氏らが創設)に集められた資料や証言などの記録が如実に示しているように、そもそも満蒙開拓の歴史そのものが複雑で多くの側面を持ったものであり、そこから派生した残留孤児問題もそれらの多様な側面から切り離すことができないことことは明らかであろう。
したがって、今回はあくまで最初のフォーラムで、さらにこの問題をよりよく理解し訴えを広げていくために、今後も続けていきたいという希望が主催者側から表明された。
いずれにしても、パネリストたちの最後のまとめの中にもあったように、このような歴史的かつ国際的に起こった不幸な出来事を、先ずは知ることから始め、その原因や背景を理解した上で、広く伝えていくことが、今の日本社会にとって非常に重要な意味をもつという点で、おそらく参加者全員が同意したと思われる。
(宮尾)
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Debate Manual: ディベートの手引き [Videos]

"Debate Manual: How to Conduct Debate in Classroom" (in English)
Explained and illustrated by Takahiro Miyao
https://youtu.be/xfLQAUzikkQ

「ディベートの手引き:授業でディベートを行う方法」(日本語)
説明・絵:宮尾尊弘
https://youtu.be/4V9tlXwtypo
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